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沿革
わが国におけるプラスチックの歴史をみると、明治時代後期にはすでにセルロイドの生産が始まり、大正時代にはフェノール樹脂の生産も着手され、合成樹脂の工業化が行われるようになった。昭和5、6年頃から合成樹脂成型加工が産業の一つとして認められるようになり、圧縮成型専門業者によって電気部品、機械部品をはじめ、食器などの雑貨製品も生産され市場も拡大した。
しかし本格的な発展を遂げたのは第2次大戦後で、特に昭和30年代以降、石油化学工業の発展とともに各種樹脂の開発が盛んに行われ、加工技術の進歩、需要分野の拡大とが相互に関連して、質的にも、量的にも急速に進展した。
遠州地方でも、二輪車、自動車を中心とする機械産業の発展を背景として戦後急速な伸びをみせ、当地方の主要産業の一つとなっている。
業界の特徴
プラスチック成型業は、機械器具部品を中心とした工業用プラスチックを生産する企業と、日用品雑貨を生産する企業とに大別される。
そして業界は以下の特色を持つ。
1.小規模性
合成樹脂成形加工業は一部の建材・雑貨の大手メーカーを除いて、その大部分は中小零細企業で、特に需要企業の生産系列ないし下請的存在で、純成型加工のみを行う企業においてはその小零細性が強い。
2.比較的単純な機械加工
プラスチック成型業の作業・生産内容は、ユーザーの指定する原料樹脂を成型機械に入れ、全型に射出あるいは押出して成型、製品化ないし部品化するもので、その生産効率は重要で量産性が重視されるが、作業内容は単純な機械加工である。
3.受注生産が主体
一部の建材・雑貨等の量産品メーカーおよび工業用品の自社生産を行う業者を除き、大部分の企業はユーザーあるいは問屋からの受注による生産体制を組んでいる。そのため常に受注競争が繰り返され、企業経営面では不安定要素を抱えることとなる。
製品知識
工業用プラスチック製品は、輸送用機械、電気機械、一般機械などの機械器具部品として広く利用され、また日用品雑貨プラスチックは、食器、バケツ、各種容器など家庭生活と密接な関係をもち、生活の中に広く普及している。
近年では、エンジニア・プラスチック(エンプラー=高機能樹脂)の開発が急速に進み、その機械的強度(とくに耐衝撃性)、電気的特性、耐薬品性、耐熱性、軽量などの特徴から、その用途が広まってきている。
また、プラスチックにオカラ、アルミ粉等を混ぜることによりリサイクル面にも配慮した製品の開発も始まっている。
生産状況
プラスチック製品の生産量は、自動車産業をはじめとする産業界の軽量化ニーズの高まりや多様な用途の開発により、平成4年まで年々増加傾向をたどった。近年では、工業製品の軽薄短小化の傾向からエンジニア・プラスチック精密加工品を中心に応用範囲が増大している。しかしアジア諸国の技術力の向上もあって、製品の一層の高機能化、高付加価値化への対応が求められている。