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遠州の地場産業

金型

沿革

 わが国の金型産業は、明治時代における量産成型工業の幕開けとともに胎動を始めた。しかし飛躍的な成長を遂げたのは、戦後の新素材であるプラスチック、軽合金の登場以来のことである。とくに昭和40年代以降は大口ユーザーである自動車、家電を中心とした量産型加工組立型産業の発展に負うところが大きい。このため金型企業の多くは、戦後設立されたものである。
 遠州地方をみても昭和40年代の自動車、二輪車の相次ぐモデルチェンジによって急成長を遂げた。オイルショックに伴う一時的な需要の減退はあったものの、わが国経済が安定成長下に移行した後も、ユーザー業界の需要を喚起するための頻繁なモデルチェンジや新製品開発に支えられ、金型は大量生産に不可欠なツールとして高い成長を続けてきた。それだけに金型産業は不況知らずの業界であるとされていた。しかし、バブル崩壊後の景気後退期においてはユーザー産業の部品点数の削減や部品の共通化、モデルチェンジサイクルの延長といった厳しいリストラ策及び発注価格の低下といった影響を受け、出荷額が大幅に減少した。


業界の特徴

 金型業界は、1.金型の生産のみを業としている専業者、2.他の業と併せて金型の生産を行っている兼業者、および3.自家使用のために生産している内製業者に区分される。
 金型産業は以下の特色を持つ。
1.小規模性
 金型製造は熟練技能さえあれば、小資本で比較的容易に参入でき、単品受注生産のため量産メリットが得にくいといった理由から一部の有力業者を除いて金型企業は零細企業が多い。
2.技能労働集約性
 最近、放電加工機やNC工作機械、CAD/CAM等のメカトロ機器導入が進んでいるものの、加工精度の面からいまだ全工程を自動化処理できるまでには至っていない。微妙な仕上げ工程は、相変わらず熟練労働者の経験と勘に頼っているケースが多い。
3.個別仕様の単品受注生産
 金型によって反復成型される加工品は多種多様であり、金型自体も多様性・個別性に富んでいる。そのため金型は需用家の個別仕様による単品受注形態が一般的である。
4.高い設備装備率
 金型の製造には素加工から仕上げまで、一連の精密金属加工機械が必要である。このため、他の産業機械製造業などと比較して機械装備率が高くなっている。


製品知識

 金型とは、材料の塑性や流動性を利用してこれを反復成型加工するための手段であり、同一形状製品を大量生産するために金属素材を用いてつくられた型と定義できる。金型を使用した場合、切削加工に比べ品質が均一化した製品を得られるばかりでなく、加工時間が短く、ほとんど加工屑を発生しない点に特徴がある。そのため金型は量産成型産業には欠くことができない生産手段として広く使用されている。金型には自動車、家電向けを主体とするプレス型、プラスチック型(この2種類で全体の約8割近くを占める)のほか、ダイキャスト用、鍛造用、ゴム用、鋳造用、ガラス用、粉末冶金用など加工する素材の種類、加工法の相違により8種類に分類される。


生産状況

 遠州地方の金型生産は、基幹産業の自動車・二輪車工業の発展とともに順調な成長を続けてきた。ところがバブル崩壊後、自動車、家電産業の製品製作の変化から、金型業界は未曽有の不況に見舞われた。また加工組立型産業の海外展開から、アジア諸国が基幹産業である金型製造業を育成しようとする動きも顕著になっている。
 成熟産業になった金型産業であるが、わが国製造業の基盤を支える技術集約型産業であることに変わりはない。今後も優れた熟練技術を生かし高精度かつ高付加価値化したユーザーニーズに応えていく金型生産技術を維持発展させなければならない。
 平成16年の県下の出荷額は1307億7,272万円で、前年比3.6%の減少となった。

業者数:県下 約300社

金型.JPG

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