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沿革
遠州地方の自動車産業は、当地区が持つ固有の技術と関わりながら昭和30年代後半から本格的に生成・発展してきた。湖西市はもともと繊維の町で繊維機械の製造技術があったこと、また機械関連の軍事工場が戦時中に疎開してきたことが基盤になっている。浜松市も有力な繊維メーカーが集積していたために、繊維機械の製造技術が自動車生産に受け継がれていった。その後、自動車需要の増加を背景として、自動車産業は飛躍的な発展を遂げ、遠州地方を代表する産業となっている。
業界の特色
自動車産業は極めて大きな裾野をもつ加工組立型産業で、完成車メーカーは1台当たり2万点にものぼる部品の7割近くを部品メーカーに依存している。その構造はアセンブラー(組立メーカー)である完成車メーカーに、部品・完成品を供給する多くの大手1次部品メーカーを始め、さらにこれに連なる2次、3次部品メーカーなど多くの関連中小企業からなっている。関連する分野も鋳造部品から、ねじ、バネ等金属製品、さらに電装品、合成樹脂成型品等広範に及んでいる。
自動車部品メーカーの中には、独自の分野について高い技術水準とシェアを持ち、特別な完成車メーカー系列に属さない独立部品メーカーもあるが、大半の企業は資本、人的結びつき、取引依存度などの点で、完成車メーカー及び1次部品メーカーと関係が深く、典型的なピラミッド型の業界構造となっている。これによって自動車に対するユーザー意識の変化に柔軟に対応し、かつ専業化された各工程内で徹底したコストダウンを追及できた。自動車部品業界はこうした分業体制の中で完成車メーカーの競争力を支える役割を果たし続けてきた。
遠州地方の自動車部品製造業者は、ピラミッド構造の中・底辺部分の役割の一端を担い、完成車メーカーの成長を背景に、年々高い伸びを示してきた。しかし、近年、海外生産の拡大、システム化・モジュール化の流れが業界再編の流れを加速させている。
製品知識
自動車はおよそ2万点の部品から構成されており、この部品の原材料もきわめて種類が多い。
自動車部品は機能上から概ね次の6種類に分類される。
1. エンジン部品 ピストン、燃料噴射装置、ラジエーターなど
2. 電装部品 スピードメーター、ワイヤーハーネス、ヘッドランプなど
3. 駆動・伝導および操縦系部品 ハンドル、トランスミッション、クラッチ類、車輪など
4. 懸架・制動装置部品 ブレーキ装置、ショックアブゾーバー、リーフスプリングなど
5. 車体部品 プレス部品、シート、燃料タンクなど
6. 用品 カーステレオ、冷暖房装置など
生産状況
平成16年の県下の自動車部品製造業(産業分類の自動車部分品・付属品で二輪車部品を含む)の製造品出荷額は4兆5,557億円で、県下製造業全体のおよそ4分の1を占めている。
自動車部品業界は、完成車メーカーの成長を背景に、年々高い伸びを示してきた。しかし、近年では、貿易摩擦や円高等から完成車メーカーの海外生産が定着しかつてのような右肩上がりの成長は見込めなくなってきている。加えて、完成車メーカーも国境を超えた再編の渦中にあり、自動車業界全体が大きな転換期を迎えている。
そのため部品メーカーとしても系列取引に依存せず生き残っていけるだけの技術力、開発力を蓄積していくことが、今後の重要な経営課題となっている。
業者数:県下 約1,300社